Chapter04-03

記録者: フェルヴァリオ (ENo. 64)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-10 04:00:00

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あなたの返答を聞き、魔女の弟子はふんふんと頷いた後に
やや深めに折り目正しく頭を下げた。

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「参考にさせていただきます。
 ……やはりこうやって他人から意見を聴くのはいいですね」

それからある方へと視線をゆるりと動かして、
何かを確かめた様子で頷いた。
あなたが其方を見ても、そこには何も無かったろう。

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「……もう少し問いが必要みたいですね。
 そしたら、……そうだ、さっきも気になった事なんですけれど……」

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「……あなたは、この部屋はどういう目的で
 存在している……と思いますか?


──あなたはこの白い部屋が何故存在していると考えますか?

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「……やっぱり、この部屋が
 ただの“精神世界の一角”とは思えないんです」

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「誰かが意図的に“何もない空間”を作ったとしか思えないんですよね。
 ただ……僕の知る限り、こんな精密で、安定した“無”で、
 しかも異世界とこうも接続を維持できる魔女はいません」

息を呑み、小さく首を振る。
その瞳に、不安とも好奇ともつかない火が灯っていた。

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「この部屋があるのは、仮的にひとを閉じ込めるため?
 知能や能力や思考性格を試すため?
 それとも……僕たちの“反応を見たい”誰かがいる、とか……。

 この部屋、“意図”だけは確かに感じるんです。
 悪意かどうかは分かりませんが……“呼ばれた”感じがする、というか──」

魔女の弟子は少し早口になりかけて、はっと息を整えた。

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「すみません、少し興奮しました……。
 ……あなたはどう考えますか?
 この部屋の“目的”をどう感じましたか?」

Answer
壁の向こうで、アルヴェンはふんふんと頷いた後に
やや深めに折り目正しく頭を下げた。
それからある方へと視線をゆるりと動かして、何かを確かめた様子で頷いた。
フェルヴァリオがそっちを見ても、そこには何も無かった。

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「……もう少し問いが必要みたいですね。
 そしたら、……そうだ、さっきも気になった事なんですけれど……」

一瞬、視線が彷徨ってから、フェルヴァリオを見る。

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「……あなたは、この部屋はどういう目的で
 存在している……と思いますか?」

白さが、音を吸う。

フェルヴァリオは机に肩肘をついたまま、片手でフラスコをゆっくり揺らしていた。

中の液体は、いつの間にか虹色に変わっている。
赤でも青でもない。一定しない、境界の色。

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「……時間的拘束」

ぽつりと答える。

それから、視線をフラスコに落としたまま続けた。

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「うーん……。人に問いを投げる側と、答える側」

フラスコが静かに、しゃらりと音を立てる。

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「その二択しか許されてない、って点については……」

少しだけ考える間があり。

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「互いの思考力を探っている。
 たぶん、それ以上でもそれ以下でもないと思う」

アルヴェンの気配が、少し強くなる。
フェルヴァリオは小さく息を吐き、

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「信仰でもないし、罰でもないし、実験でもない。
 ……単に、測ってるだけ」

虹色の液体が、光を反射して壁に滲む。

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「どこまで考えられるか。どこで詰まるか。どこで嘘をつくか」

フラスコをそっと止める。

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「……そういう部屋」

白い空間が、僅かに圧を持ったように感じられた。