
「……回答を確認しました」
観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

「当機の観測は、これにて終了します。
記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」
レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」
──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。
──そう。きっとこれは夢だった。

「……観察対象。これにて接続を断ちます」
ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。
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