Chapter03-05

記録者: メルエミリー・カヤナイティア (ENo. 79)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-07 04:00:00

クリックで開閉
あなたの言葉に黙って頷きながら、
思考を深めるように髪を弄る手の動きは止まっていた。

icon
「……価値、なんて偉そうな言葉を使ったけどさ」

icon
「結局、自分がその生き方で満足できるかどうか
 みたいな話、な気もしてくるね」

短く言葉を切りながら、息を吐く。
沈黙は、ただ心の中を整理する時間のようだった。

icon
どうすれば、満足って思えるんだろうね

icon
「もちろん、簡単に“ああ、これで満足!”って思えれば楽なんだけど……
 現実はさ、どんどん次が出てくるし、思い描く理想と現実の間に隙間があって……」

小さく肩をすくめ、思い出したかのようにまた手が髪を弄った。

icon
もうこれでいいって思える瞬間……、
 クロは、経験ある?……どうすれば自分が満足できるかって、分かる?」


──あなたにとって“満足”とは何だと思いますか?

sample

icon
「……“満足”って多分、別にゴールじゃないんだよね」

icon
「結局“ああ、今ここで自分のやりたいことできてるな”って瞬間のこと……なのかも。
 誰かに褒められたり、認められたりすることだけじゃなくて、
 ただ自分の心が納得してるっていうか」

髪を指先で絡めた手をそっと下ろし、視線を落とす。

icon
「だから、ウチにとっての満足って、“ずっと続くもの”じゃなくて、
 小さくて短いけど、自分の心にちょっと灯がともる瞬間のこと……かな、と思う。
 其れを積み重ねられる可能性が高い行為を、価値、と呼べるのかもなぁ……」

軽く息をつき、椅子にもたれて肩の力を抜く。
ふ、と視線があなたに戻り、問いかけるように目が揺れる。

icon
「クロはさ……そんな瞬間、ある?
 自分の中で、これでいいって思える瞬間って、どうやったら掴めると思う?」

Answer
──あなたにとって"満足"とは何だと思いますか?



icon
メルエミリー
「……〔満足、ですか〕

……思えば。
明確に、其れを感じた事、有っただろう、か?
有ったとすれば。
其れは、きっと"私"では無く――


icon
メルエミリー
〔そうですね〕……
 〔一例を出す、とすれば〕……」

icon
メルエミリー
此れでもう、タヒんでも良い、と判断した時……〔でしょうか〕

icon
メルエミリー
「……〔尤も〕
 〔そんな大往生が出来る人生など、どれだけ存在しているか〕
 ……〔とも言えますが、ね〕

志半ばで潰える等、良く有る話なのだから。