Chapter01-05

記録者: メルエミリー・カヤナイティア (ENo. 79)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
──あなたは自らに"どのような価値"があると認識していますか?



自らに、どのような価値が在るか。
其れを明確に答えられる者など、どれだけ存在しているだろうか?

亜人少女の場合。

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メルエミリー
。o(存在価値居て良い意味……か)

ひとしきり、考え込んだ様子の後。

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メルエミリー
「……〔現状の、という前提にはなりますが〕

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メルエミリー
魔力保有量、でしょうかね〕

そういえば。
先の質問で、此の少女は、自分に対する表現で変わった言葉を使っていた。
確か――そう、魔力タンク、と。


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メルエミリー
「…………
 〔現在の私は〕
 〔色々とあった結果、魔力が漏洩し続ける体質でして〕
 〔転じて、こう〕……魔性ホイホイみたいな状態で〕

なんかパワーワードが出てきたな?

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メルエミリー
〔使い魔と契約したのも、体質が関係しているのです〕
 下手に垂れ流し続けるより恒常的に喰わせる対象を定める方が、色々と平和なので〕……」

などと供述しており。

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メルエミリー
「……〔其れ以外で、存在価値が有るか、と言うと〕
〔色々と魔力前提の躰と生活なので、其れ等を封じられてしまえば完全な無価値かつ無意味、と言って良いでしょう〕

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メルエミリー
「…………
 〔御覧の通り、身体的には色々と機能不全なので〕……」

以上が、おおよその回答だ、と。
亜人少女は告げるのだった。