Chapter02-Fin

記録者: 楓 優希 (ENo. 188)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-07 04:00:00

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「そっかぁ……そういう音を持ってるんだ、君って」

足をぶらぶら揺らし、胸元の笛が軽く揺れる。
その小さな揺れは、まだ奏でられていない何かを予感させる。

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「ね、楽しかったよ。君の音、ぜんぶ新鮮だった。
 僕の知らないリズムで、知らない色で響いてて……」

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「──君の曲、きっとまだ続くよ。
 途中で休んだり、音を外したり、急に転調したりしてもさ。
 それでも“君だけの曲”になるんだ」

ゆるりともたげた手を、ひとさし指を
あなたに向けてはくすりと笑う。

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「だからね、止まらないで。
 君が止まったら、その続きの音、誰も聴けなくなっちゃうからさ」


そうして少年は揺らしていた足を床に着いて、
ひょっと立ち上がった──ように見えた。


──向かいの椅子には誰もいない。
目に鮮やかな少年の色彩は、もうどこにも認める事は出来なかった。

……あなたも意識して目を閉じれば、あるべきところに戻れるだろう。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
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優希
「そう。そんなことを言っていただけて光栄だよ。君は…私が間違いばかりを犯してしまったなんて嘆いていた心に、一筋の光をくれた。」

この言葉には、嘘偽りない。
どうしても許せなかった己のことを、少し許せた。今日は…いい日になりそう。

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優希
「ありがとう、名も知らない少年。次は…君の演奏が聴けたらいいね。」

なんていう椅子の先に、もう少年の姿はなかった。
…立ち上がれば、お互いに視界から消えるのか、この椅子は。

なんだか…すごく不思議な感じだ。
ひとまず、私も…帰ろうか。なんとなく、眠れば帰れるような、そんな気がして。私は椅子から立って、なんとなく地面に伏せて、目を閉じた。
意識は、溶けゆくチョコレートのように、甘く、静かに溶けて、沈んでいった。

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先生
「………………おい、終わったぞ」

その一言で、私は目が覚めた。…どうやら、眠ってしまっていたらしい。
…夢の中で…誰かと、有意義な議論を交わしていた…そんな覚えがある。

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優希
「んあぁ…いつから寝てました…?私…」

なんて言いながら、検査台から体を起こして、車椅子に乗り変える。

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優希
「先生〜、今日はなんか終わるの早かったですね〜?」

あんまり時間が経っていないように思えて、私は先生にそう投げかけていた。
けれども、そんな私の問いかけに、先生は呆れたような顔をして。

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先生
「あのなあ…、言っとくけど!お前が!!爆睡!!!してただけだから!!!!」

移動とか大変だったんだぞお前!起きるまで待ってやろうかとか思ってたけど!ぜんっぜん起きねえんだからお前!なんて言われてしまった。
いやでも、体感30分も経っていないのだ。だって…なんて言いながら私は先生の顔を見ながら話し始める。

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優希
「えぇ〜、だってほら、先生時計見てくださいy……え?!も、もうこんな時間なのか?!」

先生にほらな〜なんて顔をされ、ほんとだぁ〜、なんてちょっと笑って。
…笑ったのなんかいつぶりだろうか。

なんだか、こんなに心が安らかなのは久しぶりだ。
しばらくはこの夢の余韻らしきものを多少楽しんでも、バチは当たらないだろう。

…あ、そうだ、バックトラッキング。あれを…病室に戻ったら試してみよう。
そんなことを思いながら、私はまた先生に雑談を投げかけるのだった。