そうして、黙って私はしばらくあなたの揺れに合わせてなんとなく揺れていた。
そうしていると、そのまま次の問いかけがなされる。
…聞いた瞬間、とても難しい問題だと思った。だって、そうじゃない?
けれども、私のそんなモヤついた心をよそに、彼は自分はどうか、と言うことを話してくれた。
そうして、あなたの答を聞き終わる頃には…あなたの軽やかで、かつ力強い回答に、私は心底感心していた。
私と同じぐらいか…はたまた年下か。そんな彼が、ここまで力強く物を語れるということは、おそらく、彼もまた相当な修羅の道を通ってきたのだろう。……なんて私は勝手に考えていた。

優希
「そうか…。私が答えると…とても矛盾した回答になるが…それでもいいか?」
私は、そう質問に質問で返すように、問いかけつつ。そのまま流れるように答を、彼に向かって投げてみた。

優希
「自分っていう存在はな、世界で1番信用できて…尚且つ世界で1番、信用できない存在だと、私は考えている。」
それは何故か。
まず、自分たちの通ってきた経験、というものは、絶対に嘘をつかない。それに…人間には心がある。その心というものの可能性は無限大で…どんな人でも、心が動けばそれが原動力になると思う。これがまず、自分を、人間を信用できる理由だ。
そして信用できない理由としては…人間の記憶力は機械的でないこと。そして…人間はどんなことがあっても、どこかで必ずミスをするという生き物であるから、だ。
私が人間という生物である以上、これは避けられないと考えている。
何をどう頑張って対策しても、必ずどこかに見落としが一つある。
だから、1番信用できて、1番信用できないのだ。
それに…これが、私が全てを失った理由だ。
完璧な人間と言われる人は存在しても、実に完璧な人間なんて存在しない。
本当に存在したのであれば、私は今こんな悲しき子供になんかなっていないのだから。

優希
「………………さっきから思っていたけれど…どうもキミはその辺の人とは違うらしい。私達はそうだな…、なかなか気が合いそうだね。」
なんて、冗談めかしながら、話しかけてみる。
けれども…名前も知らない君は、こんな答えに、へぇ〜、そうかな!なんて言いながら、興味深そうににこにことしているばかりだ。

優希
「…じゃあ、そうだね。私の考えは今述べた通りだよ。次の質問に行くかい?」
と、私は話のバトンを彼に渡した。