
ひとみん
「権限がないから助けられないって…お前ひどいな。そこは何がなんでも命令とか言いつけ破って助けに行くところだろ〜。」
まあ、できないものは仕方がない。これが映画なら、彼はむりくり権限の壁を突破してでも助けに行ってくれる可能性もある……、かも知れないが…ここは映画館じゃない。
さて…本題に戻ろう。
助けを求めてる人がいて…、助けた場合、自分に損害が生じることが明確だが…その時私はどうするか、か……そりゃあ、答えはもちろん決まっている。これ一択だ。
私は…あれからいくつか犯罪を重ねてきてしまった。裁かれたのは最初の一つだけだったが…今もまだ重ねているようなものだ。違法で仕事をしているのだから。
だから、一種の罪滅ぼしのようなところもあったりする。…まあ、これだけで司法なんかが許してくれるなら、法律なんかは要らないのだけれど。

ひとみん
「…もちろん、当然。何があっても助けるに決まってる。あたしが助けられる状況なら、そりゃあ助けない手はないだろ?だって…」
当然の答えだ。昔だってこうやって………………
…あれ、誰かを助けた…気がする。そう、昔、目の前で何か____

…!
……そうじゃないか。なんで忘れていたんだ…?
あの
2人のこと…
…ああ…そうか…もしかしたら、ここは現実じゃないのかもしれない。
夢の中で現実と違うことを考えているなんてこと。ほら、よくある話だろ。
ならば、これもまた悪い夢なんだろう。
勝手に自分の中でそう結論づけて。そういうことならいろんなこと喋っちゃってもいいか。なんて好き勝手に解釈して。
今思うと、この時私は一種の回避行動なんかをとっていたのかもしれない。
それか、たくさんの思い出の整理だったのかもしれない。

ひとみん
「そう、お前がいうような感じでさ…昔助けたやつがいたんだ。ヤバかったんだぞ?マジで!そいつさ〜…」
…そういうことがあったんだよ、なんて軽く話すノリで。
あぁ…そう、思い出せなかったこと、思い出せたから…かなりスッキリした。
2人のことを思い出したことで、たくさん…本当にたくさん、2人と過ごした記憶が蘇ってくる。

ひとみん
「でよお、なんかそいつが突然、知らん男連れて帰ってきてやんのよ!びっくりしたよ、何があったんだよってさあ!」
…けれど、何かがつっかえている。胸の奥の方で…何か…

ひとみん
「でもよお、打ち解けていくうちになんで連れて帰ってきたかわかるぐらいなやつでさ〜…」
……まあいいか。今は。
どうせまた今みたいにふと思い出すだろう。私は勝手にまたそう結論づけて、身勝手に思い出話をまた話し始めるのだった。