【白の砂漠】
白い砂粒は雪のよう。太陽が昇っても白い砂は光を乱反射させ熱を持たない。
舞い上がり吹きすさぶ様は吹雪のよう。強い風とバチバチと襲い掛かる砂粒は、行き交う者を凍えさせる。
ビュービューと鳴り響く風の中に、人の声のような音が交じることがあるという。まるで悲鳴のように、怨嗟のように。この地が砂漠でありながら寒いのは、亡霊が生きた魂を狙うからだという噂もある。
砂漠の中心には、大樹のように空まで伸びた竜巻が巻き起こっている。圧倒的な量の砂に、激しい風速が合わさり、飲み込まれたものは削り取られてしまうことから『貪りの大砂嵐』と呼ばれている。
エルフは、この乾ききった砂漠の中心に一人で住まう。
かつて、人間の築いた大都市がある場所だった。