
「んがっ……」
気が付けばそこはさかさまの部屋だった。
いやさかさまなのは自分の方だった。
ベッドからずり落ちた姿勢のままはて、と腕を組む。

「なにやら夢を見ていた気がしますが、思い出せませんね……。
なんとなく、腹立たしい内容だったような気はしているのですが」
うーむ、と首をひねるが夢の内容は思い出せず。

「まあ、思い出せないものはしかたありません。
予定通り発つとしましょうか。
そろそろ何か手がかりが見つかるといいのですが」
まとめておいた荷物をつかむ。旅立ちの準備はそれで終わり。
そうして、冒険商人は宿を後にした。
彼の次の行く先がどこかは、まだ誰も知らない……。