
「……はあ」
あと何回このシャッター音を聞くことになるんだろうか。
あと何回ため息を吐く羽目になるんだろうか。
次と聞けばまたわざとらしく、不機嫌を表すように目を細める。
それでも姿勢は正しく。俯く動作さえ整っていて美しく。
カメラ頭のレンズへ再び視線を戻せば、なぞかけめいた質問が続く。

「……」
具体性のある問いばかりではないのか。内容に対し、これまた露骨に嫌そうな顔をした。

「趣味の悪い質問。
アナタが例に出した通り、不確定要素が多すぎるでしょ。
偶然の事故なのか、重大な事件なのか、ちょっとしたトラブルなのかどうかもわからない。
あやふやな仮定から、何をどう答えろって言うの」

「私なら、全てその道のプロに任せる。
下手に手を出して事が大きくなるくらいなら、更に最適な人間に助けを求めた方がいい。
主人公でもあるまいし、手を差し伸べればなんでもかんでも救えると思っている方が滑稽」
自分はどこまでも無能でか弱いことを知っている。
そうでなければ、今頃こうはなっていなかったはずだから。
他人を助けるなどという傲慢を遂行できるような存在ではない。
自分にできるのは、ただ踊ることだけ。そう思っている。

「逆を言うなら。
私だけで事足りるという場合なら……まあ、手を貸すと思う。
服が汚れたっていい。怪我だって、するならしょうがない。
社会的地位が落ちるならそれもご勝手に。ただ、今より醜くなるのは嫌かな」

「……今の私にできることって、なにかしらね」