
トラレ
「そりゃあ、まあ……
シャルルの占い通りになることだと思っているけれども……」

トラレ
「だって占いの道具を使って占いをしてるのよ?
絶対に当たる占いをやっているのだから、その通りになることが秩序でしょ」

トラレ
「だから、こうも言い換えることができる」

トラレ
「あらゆる者は、あらゆる願いを持って、あらゆるままに在れ。
その全てが肯定されるべきだけれども、人はその全てを肯定することはできない」

トラレ
「だから、占うの。
その人にとっての在るがままであるための未来を示すために」

トラレ
「……さて。これはお話を聞くと面白そうな質問ね。
引く子によって全然違う答えが出てきそうだわ」

「―― ワン・オラクル。
―― オープン・ザ・カード 『XI.JUSTICE』」

トラレ
「―― コール! サモン『ヴェレンノ・ジャスティス』!」

ヴェレンノ
「―― 正義、正位置。ご召喚に応じ、参上しましたヴェレンノです。
必ずや、あなたの願いを聞き届け、正しき道へと導きましょう」

ヴェレンノ
「……なんてな。ちょっと格好つけたいだけなんでな。
無理難題は困るんで、そこら辺はよろしく頼みやすぜ?」

トラレ
「ヴェレンノ君。正しいって何だと思う?」

ヴェレンノ
「出てきて早々哲学をぶん投げられた。
え……正しいが、何か……?」

ヴェレンノ
「正義のカードにその質問って凄い期待値を込められてるとしか思えないんだけど……?」

トラレ
「お姉ちゃん呼ぶ?」

ヴェレンノ
「謹んでお断りします」

ヴェレンノ
「俺はそれこそ正義のカードが示す通り、公平で中立的、バランスが取れているといったことを良しとしている。
逆位置だと優柔不断だとか、曖昧さだとか。ま、バランスが取れていないってことだな」

ヴェレンノ
「だから俺としては公平で釣り合っている状態こそが正しいこと、だとは思うが……
あくまでこれは俺がそういうカードだから、って話になるな」

ヴェレンノ
「だからこう……人にこれと同じ正しさを求めるかというと……そういうわけではなく……
なんかもう全員が全員いい感じに生きてくれりゃいいやとすら思ってて……」

トラレ
「あんまりにもふわふわしすぎでしょ」

ヴェレンノ
「全員が全員いい状態だったらいっそ釣り合ってるって言えるだろ。
別に俺は正負を極端にしてバランスを取りたいわけじゃない。
差がなければないに越したことはないさ」

ヴェレンノ
「……あぁ、けど。これは言えるな」

ヴェレンノ
「正しさ、という言葉の先入観に囚われないように。
誰かの正義は誰かの悪、といったように、正しさとは必ず善とは限らない」

ヴェレンノ
「正しさ、なんて深く考えなけりゃ良い言葉に聞こえるだろ?
けれど、それが罠なんだよ。
分かりやすい例で言えば、あなたのためを思って言ってるというあれな」

ヴェレンノ
「考えることをやめるなよ、人間。
誰かにとっての正しさじゃなく、自分自身にとっての正しさを考えろ。
そして、その正しさが本当に自分のためになるのかを問い続けろ」

ヴェレンノ
「―― お前の正義を邪魔する障害があるのなら、俺が取り払ってやる」

トラレ
「っては言うけど、実際は天啓を与える存在だからその保証はないんだけどね」

ヴェレンノ
「どうしてせっかくかっこよく決めたのを台無しにするんですか!?」