Chapter01-04

記録者: メルエミリー・カヤナイティア (ENo. 79)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
──あなたにとって"譲れないもの"は何ですか?



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メルエミリー
。o(……譲れないもの、か……)

ちゃんと考えた事など、覚えている範囲で有っただろうか?
亜人少女は、少し首を傾げた。

既に、此の魂は朽ちるのを待つだけ。
そんな己にとって、今尚そう思えるモノなど、どれ程残っているだろうか?


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メルエミリー
。o(……あぁ、でも)

現状において、と、限定すれば。

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メルエミリー
「……〔朽ちる場所〕……〔即ち〕
 タヒに場所、でしょうかね〕

等と。

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メルエミリー
「……〔現在〕
 〔私は、2体の使い魔と主従契約を結んでいる、のですが〕
 〔彼らは少々……いえ、ソレナリに曰く付きでして〕

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メルエミリー
〔まぁ、つまりは〕……
 主かつ魔力タンクである私が
 人目に付かない、人通りの類が滅多に無い、忘れられた場所で朽ちる事で
 彼等を、其の場所に永劫に縛り付ける事が可能では、と〕

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メルエミリー
「…………
 〔主として、其れ位はしないと〕
 〔何をやらかすか判りませんからね、彼奴等〕……」

…………
……なんで、そんなのと契約したんです?

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メルエミリー
「…………
 〔ノーコメント、で〕……」