
「難しいですね、私たちの世界には『正しい』がありませんから…」

「私たちの生まれ持った『花』は、それにふさわしい、正しい行いをするというより、私たちの存在そのものなのです」

「その花の存在に、私たちの全てが引っ張られ、かたち作られてゆくのです。…ええと、わかりやすい言葉で言いますと…『私たちは、その花のように行動するように、全てが決められている』といった感じでしょうか」

「その植物は、僕らの存在そのものだからね。そうなるように出来ている。…ああ、でも中には、姉さんみたいに『本来の植物とは違うかたちに変異した』精霊もいるね」

「そうですね。本来の花に宿り、その花のように過ごすのが普通の姿ではありますが、変質してしまうものもいます。
変異は『正しい』というよりは『そのように変わってしまった』のですから、私たちは『花の在りようを変えない限り、私たちの正しさも変えられない』ことになるでしょうか?」

「そうだね。その花の在るがままに動く。その花が変われば、僕らは変わった姿のように動く。
正しいかどうかは、その花の本質に縛られ、その花の在り方に従って動く。
正義という花であれば、正義を胸に生涯を終えるだろ。偽りという花であれば、偽りを貫くことが、その花の精の『正しい在りよう』だよ」

「僕は今では人間の女の子の世界で過ごしているから、そこの世界のルールの中での『正しさ』も守るけれどね。
でも、花の精である本質は、ずっと変わらないかな」