Chapter02-02

記録者: Πολύτιμος λίθος ρουμπελίτης (ENo. 204)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-03 04:00:00

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「ふ~ん、君はそう考えるんだね」

あなたの回答を聞いて、頭を左右にこてん、こてんと揺らす。
メトロノームのように規則正しく、しかし気ままに。
しばらく考えた後、ぱっと何かを思いついたように指を立てた。

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「じゃあさ、次々!
 君はさ、自分自身の事をどれぐらい信用してる?

さっきのトイカケはどこへやら。
話題が飛んだように見えて、きっと彼の中では自然な転調なのだ。

──あなたは、あなた自身をどれだけ信用できていますか?

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「あは、僕は勿論信じてるよ~!
 だって僕は導き手だよ?新しい曲にみんなを会わせるのが僕の役目だもの」

少年は胸元の笛を軽く叩き、誇らしげに微笑む。
音は鳴っていないのに、そこに確かな響きがあるように感じられる。

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「それが自分のやる事すら信じられてなかったら
 なにもかもおしまいだし、一小節だって進めない!
 みんなのためになるって僕が信じてるから──僕は笛を吹けるんだ」

その言葉は軽い。なのに、妙に重い。
信じることは、約束ではなく、覚悟なのだと突きつけるみたいに。

──鮮やかな瞳があなたに問い掛ける。
Answer
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「自分を信用…ですか。それは技術でしょうか、それとも、もっと別のものでお答えしたほうがよいでしょうか…ね」

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「両方でいいんじゃないかな」

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「では…」

「私は時間や空間を旅をしています。私たちは、別の世界へ行く道をつなぐ、道を作ることができる能力を持った種族です。でもその道筋を辿ろうとすることは、自分の腕前を信じていなければ、躊躇うこともあるでしょうし、歩みを止めてしまうでしょう。
時空を渡る道が不安定な作りになっていたことで、時空の歪みへと閉じ込められ、当て所なく彷徨う可能性ももちろんあります。だからこそ、不安を感じたらそちらにゆかない、ということもあります」

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「私…ですか。
私は、今まで様々なものを世界に喚び、そして私自身も世界を渡り続けています。
今では、同行者ではないものの、世界を渡った先でも会える方もいます」

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「別世界での出会いや再会は、確実性があるものではありません。
それでも、きっと。
私の呼び声に応えてくれると。
きっとまた会えるのだと。
それはいつでも、信じていますよ」


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「僕は………そうだな。
僕自身の腕前。時空間渡りの技術だとか、癒しや風や他の魔法だとか、武器の扱いだとか。そういう『僕自身が出来る技術』は、そんなに信用してない。
僕は主様や姉様に比べたら、まだまだ経験が浅いと思っているからね」

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「でも、それでも、信じなきゃいけないことがある。
僕は彼女の世界で過ごすことを決めた。
だから。彼女の世界から離れた時には、必ず彼女の元へ帰る。それはとても大事な約束なんだ。
自分の腕前ではどうしようもない時や、不可抗力で道を見失うことも、この先起こらないとも限らない。それでも僕は、どれだけ困難であっても、彼女の傍に居ると決めたから、必ず帰るよ」

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「腕前は信じてない。そうなんだけど、それでも自分の腕前を頼らなきゃいけない時がある。だから、僕が僕の腕前を信じ切れていなくても、果たさないといけないんだ」