
「…困りましたね、私には難しい質問です」

「…そうだろうな。僕は、今では大切な人がいるから、彼女のために世界に居る。彼女のために出来る限りのことをし、その世界で伴侶として過ごして…、いけ、る、ように」

「がんばってくださいね。
ルベライトの名がその世界でも使えるかはわかりませんが、なるべく人間と一緒に生活できるよう、私も出来る限り手を尽くしますから」

「ありがとう。
…で、さっきの質問だけど、主様は『僕の教育係』だから『人間と共に生活するために、不自由しないように』だよね。
だから『譲れないもの』じゃないよな」

「そうですね、大精霊からの使命…。人間でいう『おしごと』ですから。
もちろん、それを守ることも、私にとっては『譲れないこと』なのでしょう。
ただ、他にそれ以上の何か契約や結びつきがあるかといわれますと…ね」

「特に主様はそうだろうな。ヘメロカリスだから」

「はい。そうですね。
『忘れ草』の名を冠するもの。
だから何かに縛られるわけにはゆかないのです。
それでもお力を貸してくださる、あのかただけは、変わらず傍に居てくださいます。
私には、それだけでじゅうぶんです」