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「聞こえているかな?」
「我々は問われる側だ、この見知らぬ場所においては種族だとか、年齢だとかは一旦置くとして、紛れもない同胞だね」
「さて、独り言といこうか」
「己という存在がこの世に生を受けた、或いは出現した時、それは何者でもなかった。皆、役割は持っていたかもしれないね。産まれた時、自分は娘だった、息子だった、或いは兵器だった、或いは敵だった、或いは──」
「与えられた役割や、大なり小なりある果たすべき事柄で、自然と我々の立ち位置は決まる。その中で、関わった人の発言、思考、それがまだ空き箱である幼い誰かの中に入り、誰かが作られる。つまるところ、外付けされた数多が複雑に己の中で絡み合い、噛み合い、己が作られ、その人にしか見えない景色が生まれる」
「その時、君は何者かになっている」
「それを、何者かという形では定義出来ず、認められない人もいるかもしれないけれどね。外装であり、あくまで表面から塗り固められた物を、果たして己と言えるのか、と。それもまた問いかけ続ける必要のある事だし、人によっては考えるほど、虚無に行き着くかもしれないから考えない事も必要かもしれない、そこは人によりけりだ」
「だからこそ、誰にとっても良い機会なんじゃないかな。問いかけられるのも。自分はどんな風に答えるのか、色んな事柄に対してどう感じているのかを言語化したら、己を顧みることが出来る。きっと、楽しいよ」
「さぁ、問いかけられようじゃないか。僕は大好きだからさ、そういうの」