私の住む街では、貴族たちが街の運営などに関わっている。
お金はもちろんのこと、民衆を引っ張る力があって貴族として上り詰めて街を動かせることが出来る。
私の家も、貴族の一家だった。
主に金融関係で権力のあるってことらしくて、普通の人たちからは税を取り立てては他の家が行っている事柄に向けて支援する形で資金を回している。
そうして今の地位も権力も保っているんだ。
私はその家の一人娘だったから、いずれは継ぐことになるけれど、正直やりたいとは思わなかった。
あの街には、貧しい人たちもいる。
彼らにもお金が回れば良いのにとは思うけど。
…いいえ、そこまで考える余裕なんてなかったのだろうな。
あの街にいる人たちは皆恐れていた。
『墓場には、魔女たちがいる。』