事件 | 記録詳細

事件

記録者: 姫羅 (ENo. 83)
公開日: 2025-10-29

眼前に広がるを見つめる。
散らばった黒髪がひたり、ひたりと染まっていく。

「……、けっ、きょく」

何もなかった、この手には。
折れ曲がった腕を見つめる瞳はかすんで、
たった17年の人生と呼ばれた時間の終わりを指し示した。


少女は小さな世界を呪った。
故に、死を自らが望んだものだと認識した。



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『――続いてのニュースです。
 東京都○○区で女子生徒が転落死した事故について、
 学校はいじめがあったことを認め、事故についても
 他の生徒が足を引っかけ、背中を押したものだと発表しました。
 この件を受けて警察は――――』


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「認めるまでこの仕事は終わらないよ。
 君が悪意によって殺されたことを。

 そして__
 世界はそれだけじゃないことを理解できるまでは」




少女は鎌を振るい続ける。
役割をいつか終えるその日まで。